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2013年10月

2013年10月27日 (日)

第169号 コツァルは坂の町

中央公園のすぐ近くの道なのだが、4輪駆動車でないと上がれないほどの急斜面。


コツァルは坂の町だ。平坦な土地はほとんどない。どこに行くにも急勾配に喘がねばならぬ。6~7年前まではその坂道を上がっては下がり、また上がっては下がりしながら、織り手の婦人たちの家を訪ね回ったものだ。しかし、3年前に脳梗塞を患ってからはめっきり体力が無くなり、コツァルに行ってもコデアルテコの事務所付近の家を少したずねるだけになった。悔しいけどしょうがない。グアテマラ西部の山の中に位置する村だから平地を望むのは無理な話なのだが、体力がなくなるとその立地が恨めしくもある。弱者には優しくない環境だ。何年か前に、ペドロと山一つ越えた隣町のチャフルまでそのうち歩いていこうと約束していたが、今となってはそれもかないそうにない。

 自家用車を持っているのはほんの一握りの金持ち階級。大部分の人は自家用車もバイクも縁が無い。僕の知るコデアルテコのメンバーの人たちの家に行くには車はおろかバイクすら通れぬ道を歩いて行くことが多い。町中が急勾配のここでは自転車もあまり見かけないのだが、たとえ自転車でも、マウンテンバイクの達人ででもなかったら行けないような場所も多い。

急斜面に立つコデアルテコのあるメンバーの家。見晴らしはいいのだが……。

2013年10月20日 (日)

第168号 あるフェアトレードへの疑問

先回書いたチチカステナンゴのサント・トマス教会のすぐ近くに、グアテマラ民芸品を扱うフェアトレードの店がある。以前はもっと街の中心部に近いところにあったのだが、何年か前にこの地に引っ越した。オーナーはフランス人だったかオランダ人だったか、ヨーロッパの人だ。店はきれいで製品もきちんと整理されているのだが、ここの商品は高い。フェアトレードをうたう店はグアテマラ中にはたくさんあるが、他の店に比べてかなり高い。

 コツァルのコデアルテコの商品も置いてある。コデアルテコで直接買うより3倍の値がつけてあるものもある。

昔、アンティグアの外国人専用の高級織物製品店にもコデアルテコの製品が少し置かれている時期があった。そこでは、コデアルテコで買う値段の倍の値札が付いていた。あそこは高級品ばかりのちょっと気取った店だったから、値段の高さにびっくりしながらも、そんなもんかと思った記憶があるのだが、チチカステナンゴのこの店の値段には呆れた。いくらなんでも暴利をむさぼりすぎではないのか。

 コデアルテコの場合に例をとると、コデアルテコの支配人?であるペドロが、商品は直接バスに乗って運んでくる。そして売れただけの料金を受け取り、売れ残ったのもは持って帰る。商品にバス代他の諸経費の値段が上乗せされていることはない。店側は商品を並べて値段をつけるだけで、売れただけはもうかり、売れ残ろうがリスクはゼロである。それで値段は3倍(全商品ではないが)だ。

 店の家賃がいくらなのかは知らぬし、営業できるのは週2回の市の日に限られる(市の日以外は、この街はひっそりと静まり返り、観光客はほとんどいない)ことなどの条件を差し引くにしても、値段の付け方には大いに疑問が残る。これでは、他の場所の商品もきっと高いに違いないと思ってしまう。製品の製造者たちの生活を保障する賃金を払うとこのくらいの値段になるのだと店側は言うのだが、いくら高かろうが少なくともコデアルテコの人たちには何のプラスにもならぬ。商品を作るチチカステナンゴの地元の女性たちが一体いくらもらっているのか興味あるところだ。

これは引っ越しする前の店

2013年10月13日 (日)

第167号 サント・トマス教会

サント・トマス教会(下)とその入口の石段付近の光景(上)


市場で名高いチチカステナンゴの中心部にサント・トマスという有名な教会がある。町中が市と化す木曜日と日曜日には門前で香が焚かれ、およそキリスト教的とは思えない雰囲気に満ち満ちる教会である。もっとも、木曜と日曜しか居合わせたことが無いからそう思うだけで、他の曜日も同じような光景が繰り広げられているのかもしれない。
 門前も異教的であれば教会内部もおよそ私が見知るところの教会とは異質である。なんとなくおどろおどろしい感じがする。
 内部には無数のロウソクが並び、松の葉を燃やすにおいが立ち込める。祭壇に向かって、ある人は静々と十字を切りながら歩き、ある人はひざまずき何かを唱えながらいざる様に進み、またある人は仏教の五体投地の要領で全身を床に投げ出しながらゆっくりゆっくりと進んでいく。その間をカメラをぶら下げた観光客が、物珍しげにうろうろしている。カメラ撮影は禁止されているのでシャッターを押す人はいないのだが・・・。キリスト教的厳かさというよりは、日本でいえば密教的厳かさを感じさせる場所だ。ここはマヤの聖典であるポポル・ウフーの原典が発見された場所でもあるらしい。

およそ趣を異にするキリスト教徒と古代マヤ民族とが宗教的融合をなしたとは信じがたい。権力に迫害され表面的には服従を装いながらも自らの精神世界を維持しようとした人々の息吹を僕は感じるのだが、勝手な思い込みかな。

2013年10月 6日 (日)

第166号 チチカステナンゴの市(メルカド)

10年前に初めてチチカステナンゴのメルカド(市)を訪れたときのメモがでてきた。そのまま掲載する。

 

チチカステナンゴには土曜日の昼過ぎに着いた。疲れていた。その日は、町の様子を眺め早めに夕食をとってベッドに入った。外ではあすの市のための準備らしい物音が遅くまで響いていた。

 良く眠ったと目が覚めたが、カーテンを開けても室内は真っ暗だ。時計を見ると8時を過ぎている。8時なのにこんなに暗いわけがない、時計がおかしいと思った。十分睡眠した感じがあり、何となく腑に落ちなくて外に出てみた。理由が分かった。ホテルの窓は夜のうちに市のためのテントで完全に塞がれていて光が入ってこないのだ。辺りは、昨日の光景とは一変し、別世界になっている。通りという通りの両側を店が埋め尽くし、わずかに人が行き交う空間が開いているのみである。一度、外に出てしまえば、昨日ホテルへの道を間違えないようにとおぼえた目標物も何も分かりはしない。
 いったい何百の店が並んでいるのだろうか。表通りに近い場所には観光客相手とみられる土産物屋が並び、奥に行くに従って日常の生活物品が並んでいる。色彩豊かなウイピルや織物、色とりどりの野菜や果物、生きたニワトリ、店先にぶら下げられた牛や豚の肉の塊、日常雑貨となんでもある。何十軒という簡易食堂から出る匂いが食をそそる。掛け値なしでここは凄い。
 市の西の端の方向に有名なサントトマス教会がある。私が見知るキリスト教会とは外見からかなり趣を異にした教会で、入口ではさかんに香(松の葉)が焚かれている。その煙があたりを包み、市の混沌とマッチし、異様な雰囲気を盛り上げる。

 この市を目指して、木曜日と日曜日にはグアテマラ各地から特別バスが何本もでる。ここは期待を裏切らない。一見に値する市である。

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