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2013年5月

2013年5月26日 (日)

第147号 青い空の会


ソロラのヘソである中央公園からパナハチェルに向かう道沿いのガソリンスタンドの横に「青い空の会」の事務所兼作業場がある。公園から徒歩数分の距離だ。4月初旬のある日、そこを訪れた。迎えてくれたのは、会の主宰者の白石さん。とてもさわやかで清々しい感じのする女性だ。

 青い空の会の活動はいろいろあるようだが、基本的には地元の子供たちの活動・教育支援である。子供たち本人はもちろん、その家族や学校と連携し、子供たちが学校教育から脱落していくことが無いように支援するのが一番の目的だと、私は理解している。金銭的理由で、労働を必要とする家庭の事情で、あるいは学校制度の問題が理由で学業を続けられないたくさんの人たちがいる社会事情がその背景にはある。

 やがて3人の姉妹が作業にやってきた。歩いて約1時間の所から来たのだという。今日の作業は、グアグアカードと名付けられたグリーティングカード作りだ。用意されたカードを形に切り取り、その上に地元の織物布を貼りつけて行く。そう複雑な作業ではないが、このような作業になれない彼女らには簡単でもないらしい。白石さんのアドバイスを受けながら作業をするまなざしは真っ直ぐカードに向かっている。

 小一時間の作業で、本日のノルマである各自4枚のカードが出来上がった。お茶を飲み休憩しながら製品のチェックを受ける。細かいところをいくらか注意されていたようだが大きな問題もなく合格だ。次に各自本日の作業料の受け取りだ。一枚当たり5ケツァルの報酬である。白石さんが、一枚当たり5ケツァルの4枚でいくらになるのか各自に確認している。この国の相場を考えると決して安い額ではない。各自金額欄の下にサインをして金額を受け取る。
 姉妹のうち一人は、学校を止めており、サインもできなかったのだが、お金を受け取るために一生懸命練習して文字を覚えたそうだ。この前まで字が書けなかった人のサインとはとても思えないほどきれいな字で名前が書かれている。料金計算やサインなど、細かいところで、各自の能力を高めるための工夫がさりげなくなされている。
 この子はこの青い空の会の作業に来なかったら、サインをすることも字を覚えることもなく、人生を終える生活を送ったのかもしれない。学校を続けて行くための励ましや支援とともに、学校を既に止めてしまった人に対しても何とか少しでも生活の幅を持たせてあげたいとする白石さんの熱意が見える。

 白石さんが本業で忙しく、この活動に割く時間が限られているのが悩みの種だとか。そういえば、今日来ていた3姉妹にもっと作業したいかと聞いたところ、「いくらでも作業したいのだが、ミツヨ(白石さんのこと)がいつもいないんだもの」と答えていた。

 わずか2時間ばかりの見学にしか過ぎず、拙速な判断かもしれないが、青い空の会の活動は既に地域に根付いていると見た。今後ますます深くかつ広く根を張り、大木となってほしいと思う。ある時は風よけとして日よけとして、またある時は雨宿りに、そしてある時はきれいな空気を提供する憩いの場となる大木に生長してほしい。

 青い空の会の活動詳細はこちらからどうぞ。


2013年5月19日 (日)

第146号 フルータ・デ・ミエルとパン


セマナサンタの御馳走作りは家族総出です。       写真は2年前のもの。


イシル地方のセマナサンタの食べもと言えば、パンとフルータ・デ・ミエルである。このほかボシュボルもよく食べられる。ボシュボルはイシル地方だけでしか見たことはないが、セマナサンタの時期限定の食べ物ということはない。パンは、もちろんグアテマラ全土を通じて一年中食べられているが、セマナサンタの時期のパンは特製なのだそうだ。各地方によって作り方や食べ方に違いはあるが、パンをこの時期に特に食べる習慣はどこにでもあるらしい。

 そして、フルータ・デ・ミエル。これはイシル地方のセマナサンタの時期にしか聞いたことはない。フルータは果物、ミエルは蜜である。蜂蜜入りの果物かと思ったがそうではない。果物を一口大に切り砂糖を加えて煮込んだものだ。蜂蜜を加えたように甘いからこの名がついたのだろう。これだけ聞けば、なーんだと思うかもしれないが結構うまい。何時間も煮るのに果物それぞれの特徴も歯ごたえも残っている。

 この時期、どこの家でもフルータ・デ・ミエルとパン作りに励む。そして、作ったものを親しい人や親せきに配る。相手も同じことをするから、結果、各家庭の台所はあちこちの家で作られたパンとフルータ・デ・ミエルであふれることとなる。

 今回は、セマナサンタを過ぎてからイシルに行ったのだが、まだまだ沢山のパンとフルータ・デ・ミエルが残っており、よくごちそうになった。

  フルータ・デ・ミエルの作り方だが、マンゴー・バナナ・リンゴ・パイナップル・パパイヤ他、その時手に入る果実なら何でも、それらを適当な大きさに切って石灰水に20分から30分漬ける。その果物を取り出して水洗いし石灰分を取り除く。大鍋にいちじくの葉と肉桂と砂糖を入れ沸騰さす。その後果物をすべて入れ、5時間から6時間程度ただひたすら煮る。それで、出来上がり。5~6時間も煮ても煮崩れせず適度のコリコリ感を残した味の秘密はどうも石灰にあるようだ。いちじくの葉と肉桂(シナモン)は、もちろん香りづけである。

見栄えはあまり良くないけど、残り少なくなった大鍋のフルータ・デ・ミエル

2013年5月12日 (日)

第145号 パティン


セマナサンタの直前のパナハチェルで、パティン
!パティン!と叫びながら物売りがやってきた。聞いたことのない名前だ。緑色の大きな葉っぱに包まれている。食べ物か?と聞いたらそうだという。エビがどうの魚がどうのと説明していたがよくわからなかった。腹が減っていたので一つ買うことにした。7ケツァルだという。少し高いなと思ったが、すぐ横に宿泊先の子供もいたので、ふっかけられることはないだろうと思った。しかし、甘かった。宿の主人に聞くとせいぜい3ケツァル程度のものだという。こんなところでぼられるとは思わなかった。

 中身は15センチくらいの干し魚をトマトソースでくるんだものだった。かなり塩辛い。空腹を満たそうと思って買ったが、これだけ食べてものどが渇くばかりで腹の足しにはならぬ。そう美味いものでもないが、日本酒のつまみには良いかもしれない。セマナサンタの時期の食べ物だという。

その後も、パティン!パティン!と叫ぶ声をよく聞いた。豆腐やあさりなどを担いで売りに来ていた昔を思い出し懐かしかった。

2013年5月 5日 (日)

第144号 セマナ・サンタの色どり アルフォンブラ

 やる方も見る方も特に楽しくもなく、面白くもない奇祭と先回は悪口?を書いたセマナサンタだが、セマナサンタで検索して他人のブログなどを見てみると、世界で一番美しい祭りと表現している人もいる。アルフォンブラのことだ。

アルフォンブラとは絨毯のことである。セマナサンタのプロセシオンが通り過ぎる道を、まさに絨毯のごとく花や果物やおがくずや色彩粉などを使って敷き詰めることからこの名がついたのだろう。あくる日に大きなプロセシオンのとおる道は前日から車の進入禁止とされ、人々はアルフォンブラ作りに励む。プロセシオンが通り過ぎるほんの数分のために、ある時は夜を徹してこの絨毯を作る。自分たちもこの祭りに参加しているという一体感が持てる瞬間に違いない。又、このアルフォンブラを見るためにも大勢の人が訪れる。

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