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2013年1月 6日 (日)

第130号 テレビとマヤの人たち

コツァルに行けばいつも泊めてもらうペドロの家にはまだテレビが無い。僕が時々お邪魔をさせてもらうコデアルテコの織り手たちにはテレビが無い家が結構多いのだが、コツァル全体でテレビを持つ家庭の割合は今どれくらいなのかはわからない。

 テレビが無い理由は簡単だ。テレビを買う金が無い。それにもう一つ、スペイン語が分らない。この地方の言語はイシルと呼ばれ、その話し手は恐らく10万人程度だろう。10万人の住民のためにイシル語のテレビ放送はしない。いや、イシルだけでなく、約200万人の人口がいるといわれるマヤ最大のキチェ語にしてもその話し手たちのためのテレビ放送はない。だから、スペイン語が分らない人たちにとっては、テレビは、絵を見るためのおもちゃにすぎない。そのために大金を投ずることはできないにちがいない。

 コデアルテコ関係の知り合いしかいないコツァルでは、だから僕はまだテレビを観賞したことはない。しかし、隣のネバフではよく見る。結構裕福であり、かつスペイン語を母語とするか、あるいは流ちょうに操ることのできる知り合いが何人かいるからだ。それにネバフではホテルにも泊る。ホテルに泊まっているときなど、暇にまかせてチャンネルをよくいじる。放送数は相当ある。きちんと数えたことはないが、そのうちの3分の1以上は米語放送だ。恐らくアメリカの放送をそのままケーブルで流しているのだろう。

 米語に対するあこがれはかなりあるようだが、米語を話せる人はほんの一握りしかいない。その一握りしか理解できない米語の放送はたくさんあるのに、大部分を占める現地語での放送はない。

 たんに言葉の問題だけではない。グアテマラのテレビ放送を見ていて、ほとんどマヤ人たちの影を感じない。もちろんこちらの理解力の問題もあるので断定はできないが、おそらく間違いないだろう。人口の半分以上を占めるといわれているマヤの人々。その国で放送されるテレビに現地語の放送はなく、内容にもマヤの文化や生活の様子は出てこない。

 古代マヤの遺跡やその驚異的な天文学の知識とか、あるいは現代マヤの人々が織りだす色鮮やかな織物とかは、観光客招致のために盛んに宣伝される。しかし、現代を生きるマヤの人たちの生活・文化の影はあまりにも薄い。無視に見える。

庭掃除遊び?に興ずる姉妹 二人とも今小学校でスペイン語の特訓中

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