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2012年10月

2012年10月28日 (日)

第120号 木綿

アンティグアの土産物屋でのデモンストレーション。こういう風に糸をつむげる人はもうほとんどいないらしい。


「昔は皆綿の実から糸を紡いだもんだけど、今はもうそれができる人はいなくなった。今は町から糸を買ってくる。糸を紡げないだけでなく、複雑な織りができる人も少なくなった」とコデアルテコの最高齢の女性が言った。木綿そのものも減ってきて、値が上がる一方で手に入りにくくなっているらしい。グアテマラの織物と言えば木綿というイメージがあるが、すぐ化学繊維全盛の時代が来るかもしれない。天然素材は減る一方だ。

しかし、木綿の栽培は重労働だし、農薬は多く使うし、働く側からすれば過酷な環境にあるとも聞く。木綿の栽培と言えばアメリカ南部の黒人の奴隷労働を想像してしまう。

木綿と言えば白いものだと思っていたが、茶色と薄い緑もあることをグアテマラに行って初めて知った。茶やグリーンの木綿は稀少であるだけに値段も高い。アンティグアなどの観光地の高級土産物店で、染色してない地のままの茶や緑のランチョンマットやマフラーなどの木綿製品をときどき見かける。




 

2012年10月21日 (日)

第119号 モノクロ写真

数年前、マヤのティカル遺跡を見ての帰り、フローレスの空港で、まだ遺跡の復元工事中の写真を見つけた。もちろんモノクロ写真だ。熱帯雨林の中で、巨大な樹木が周りを覆い、からみついた根の奥にわずかに人工の建造物がみえる。そんな写真だ。現在のティカルからは想像もできないあの写真を見ていると、ティカル遺跡の建物群を発見し、古代マヤの建物群の一部ではなかろうかと想像した人たちの胸の高鳴りが聞こえてくる。そして、ティカル修復に人生を賭けたに違いない多くの人々の思いも伝わってくる。

たった数枚のモノクロ写真が遺跡をさらに刺激的なものにする。古代マヤを現代に招き寄せてくれる。本当に嬉しい発見だった。

 モノクロといえば、サンディニスタの革命に参加した人たちの写真の絵葉書をニカラグアで見つけた。乳首を子供に含ませにこやかに笑う女性兵士の姿がある。広場に憩う多数の男女の兵士達がいる。鳩を手に微笑む少年兵もいる。いずれも戦いの合間の兵士を写した写真だ。肩にかかる小銃がなかったら誰も戦いの合間とは思わないにちがいない。サンディニスタの戦いに参加し、命を賭して戦った人たちへの共感が、これらの写真をますます美しくする。これもやはり、白黒でなくてはならぬ。

あれらの写真を今家の中で必死で探すのだが、どうしても見つからぬ。何枚かは絵葉書として使用した記憶はあるのだが、その他は果たしてどこへ行ってしまったのか。

2012年10月14日 (日)

第118号 昨日もポージョ(鶏肉)今日もポージョ

先回主食について書いた。僕の狭い範囲の経験によれば、イシル地方の一般家庭で食べる食事は、そう変化のあるものではなく、トルティージャとフリホーレスを主とする簡単なものが多い。食事にそう重きを置いている感じでもない。

普通の家庭で世話になるときは、こちらから注文を出すわけでもなく、出されたものを黙々と食べる。その環境では、フリホーレスとトルティージャだけの食事でも結構満足して美味しく食べられる。だが、ホームステイでない時は、やっぱり欲が出る。少しでもうまいものを食べたいと探しまわる。ああ、肉が食べたいな、魚が食べたいなと思う。

魚料理を提供する店は山深いこの地方にはない。海魚だけでなく川魚料理もない。だから魚は望めない。魚が食べたかったら缶詰を買うしかない。肉はどうか。レストランで肉と言えば、牛肉か鶏肉だ。豚を飼っている家はあちこちで見かけるし、市場に行けば店先にあれほど豚肉がぶら下がっているのに、何故か豚肉を食べさす店はあまりない。というより、ほとんどない。

牛肉は堅い。噛んでも噛んでも飲みこめるほどに細かくは砕けない。歯に大いに難のある僕にはなおさらだ。しかも美味くもない。それでも時々注文するのだが、そのたびに後悔する。で、仕方なく食堂に行くたびにあたりさわりのない鶏肉を注文することになる。揚げ物、煮込み、焼物と種類を変えながらではあるが、かくして、わが食事は、昨日もポージョ(鶏肉のこと)、今日もポージョ、そして明日も明後日もポージョ・ポージョ・ポージョとなるのである。いつも日本に帰ってしばらくは鶏を食べたくない。

各家庭で飼っている地鶏は、肉は少し硬いが、誠に味わいぶかく美味い。市場で生きたまま取引されるのは皆この地鶏だ。しかし、その地鶏を出すレストランには残念ながら行きあたったことが無い。

本文とは関係ありません。アンティグアの屋台にありました。カメの丸焼き?大蛙の丸焼き?違うなー。やっぱり豚かな。美味そー。

2012年10月 7日 (日)

第117号 主食

トルティージャ これを丸めるのは簡単そうでなかなか難しい

何度も書いたが、グアテマラの主食はトウモロコシである。中でもトルティージャと呼ばれる食べ物の食事に占める割合は、日本におけるご飯の比ではない。特に、田舎に行けば、まさにトルティージャが主食で、ほんの添え物として他の副食があるにすぎない。何枚も何枚もトルティージャのお代わりをしながら、わずかの副食を食べるというのが一般的な食事の仕方だ。朝も昼も夜もそうだ。

トルティージャ以外には、タマルとかチュチートとか呼ばれるトウモロコシ料理も有名だ。これらは、トルティージャより少し手が込んでいて、中に少し肉やトマトベースのソースが入っていたりする。トルティージャが日本のご飯だとしたら、タマルやチュチートは焼き飯や炊き込みご飯に当たるのかな。
また、イシル地方にはボシュボルという名物料理がある。これは中には何も入っていないが、トルティージャと同じ材料をグイスキルという植物の葉に包んでゆでたものだ。これもトマトベースのソ-スにつけて、ひたすら食べる。他に添え物がついたのは見たことが無い。

日本の食事では、おかずの量が増えて来て、主食としてのゴハンがだんだん隅に追いやられる感があるが、グアテマラでは主食としてのトウモロコシの地位はまだまだ揺らぎそうにない。

尚、アンティグアにホームステイをしていた時は、タマルやテュチートは時々食べたが、イシル地方では、ボシュボルも含めて、日常的に頻繁に出されるものではなく、いわばハレの食物である。

あたり一面に匂いが立ち込めて、うまそ。だけど、ほっぺたが落ちるほどではない

 

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