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2011年9月17日 (土)

第69号 靴磨き

ネバッホの中央公園前に3階建ての食堂兼ホテルがある。ここらではこぎれいという部類の店だ。建物のつくりと戸締りがしっかりしていて、埃が入ってこなく、かつ客もあまり多くないからのんびりできて時々利用する。

ビールを飲みながら公園に目をやると、今日もたくさんの人が集まっている。初めての人は今日も何か行事でもあるのか?と思うかもしれない。しかし、これはいつものことだ。ある人は所在なさそうに座り、ある人たちは楽しそうにおしゃべりをしている。中央の噴水では、水をすくって顔を洗っている人の姿も見える。なんと多くの暇な人たちが・・、と思うが人のことは言えぬ。あるいは、めっぽう忙しい人たちなのかもしれぬ。人々の間をアイスキャンデイやトルティージャなどを抱えた物売りがすりぬけてゆく。

とりわけ、黒い木の箱を下げた少年たちの姿が目を引く。ざっと見渡して、公園の中だけで、20人程度はいるだろうか。すぐ横の市役所前にも何人かたむろしている。店の前にも商店の入り口にもいる。彼らは靴磨きの少年たちである。黒い箱の中には靴磨きの道具が一式入っている。客は、ベンチに座り、その箱の上に足を乗せて靴を磨いてもらう。少年たちは、靴墨を塗るのに刷毛や布切れは使わない。すべて自分の手で塗る。だから、彼らの手は例外なく皆真っ黒である。

少年たちはぶらぶらと歩きながら、あるいは仲間とおしゃべりをしながら、眼だけはしっかりと、そこを行き交う人の足元を見ている。汚れた靴を見つけると、素早く声をかける。時には、汚れてなくても、いや、今他の所で磨いたばかりの人にでも声をかける。実際公園を歩いていると、何人もの人から磨かないかという声をかけられる。

これだけたくさんの靴磨き少年がいると、なかなか商売は成り立たないのではと思うが、それでも結構客はあるらしい。無い時は、公園を離れ、店の中や食堂の中にいる客も狙う。

各人がどれだけの稼ぎがあるかは別にして、これだけの靴磨きがいるということは、それなりの需要があるということなのだろう。

左様、この国の人たちは、靴を大変よく磨くようだ。汚れた人はもちろん、あまり汚れてないように見えても彼らは気軽に靴磨きを依頼する。ステイ先の家の中で家族5人分の靴を出して磨いてもらっていた場面に出くわしたこともある。

何故自分でしないの?とも思うが、これもお国柄なのか。暇はあっても靴磨きは他人にしてもらうのが、ここの人たちのステイタスなのかもしれない。もちろん僕になじみの深い貧困家庭はこの部類には入らない。ちなみに、靴磨きの料金は1ケツァル。日本円にして約12円である。


      この中に少なくとも4人の靴磨きの少年がいます。

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