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2011年8月14日 (日)

第64号 トウモロコシ

グアテマラ人の主食は、トルティージャとフリホーレスだ。トルティージャとは乾燥させたトウモロコシを粉にして練り、薄くのばして焼いたもので、フリホーレスとはインゲン豆のことである。豆粒のまま、粒あん状、こしあん状などいろいろあるが、要するに煮マメである。こしあん状、粒あん状と書いたがもちろん甘味はない。

少し極端にいえば、この二つがあればグアテマラ人は生きていける。

日本でいえばトウモロコシはご飯の位置づけになるのだろうが、現在の日本のご飯よりはもっともっと結びつきが深い。

トウモロコシの恩恵にあずかっているのは人間だけではない。鶏のえさは原則、トウモロコシ粒である。犬の餌もトルティージャだ。豚もトルティージャを食べる。具体的には犬と鶏と豚しかトウモロコシ製品を食べているのを見たことはないが、その他の動物もきっとその恩恵にあずかっているに違いない。

トウモロコシの恩恵は生き物だけかと思っていたら、そのほかにもあった。イシル地方では、織物を始める前の糸の段階で、その糸をトウモロコシの煮汁に浸すのである。こうすると糸の強度が増すという。

人間や犬・鶏・豚だけに限らず、なんと織物にまでトウモロコシの用途は広がっている。この地の生活とトウモロコシの結びつきのなんと強いことか。

 そのトウモロコシであるが、近年価格が上昇して皆生活に困っている。天候不順やハリケーン災害などの影響による不作が大きな原因であるが、もうひとつあるという。トウモロコシの最大の生産国であるアメリカからの輸入の途絶えだ。化石燃料の代わりにバイオ燃料が模索され、とくにアメリカではトウモロコシをその原料とする研究が進んでいる。多くのトウモロコシが燃料生産のために使われ、人間の口には回ってこないらしい。石油燃料の代わりを考えることはいい。しかし、人間が生きて行くための食料という名の燃料を犠牲にしてまですることか、と腹立たしい。 

 

尚、織物用の糸をトウモロコシの煮汁につけるのは、イシル以外では聞いたことはない。

トルティージャを作る少女。団子をたたいて引きのばし、丸めるだけなのだが、これがなかなか難しい。街角のレストランにて。

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