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2011年8月 6日 (土)

第63号 これぞプロだ

グアテマラのバスは庶民にとっての最大の足なのだが、これがよく混む。路線と時間帯にももちろんよるが、良くというよりはむちゃくちゃに混むこともまれではない。

グアテマラシティ等の一部を除き、大概は、日本では昔懐かしいボンネット式のバスだ。アメリカのスクールバスの払い下げが多いとものの本には書いてある。スクールバスと英語で書かれたままの黄色のバスもときどき見かける。

通路を挟んで左右に座席があるのだが、元々スクールバスで子供用のせいなのか、その通路が狭い。また座席と座席の間が狭く、僕みたいな足の短いものでも難儀する。

グアテマラではその座席に3人座るのが普通だ。一座席に3人の大人が座ると、3人目の尻の半分が通路側にはみ出してしまう。もう片方の座席にももちろん3人座るわけだから、左右で半分ずつはみ出した尻が、通路いっぱいに広がることになる。だから後から乗り込んだ人が通路を通って後方向に移動しようとすると、すでに座っている人も必ず立たねばならない。そしてもちろんふさがれた通路の隙間には立った客がたくさんいる。ドアは、前方と後方いずれから見出入りできるから、前も後ろも、まさにぎゅうぎゅうとなる。一度入ってしまうと、途中で降りようとしてもこれまた大変だ。まさにかき分けかき分け、足を引きぬくようにして出口に向かわねばならぬ。

さらに大変なのが車掌である。この身動きできない状況の中で金を集めて回らねばならない。一番ひどかった光景としては、車掌は背もたれの上に乗り、天井に手をついてバランスをとりながら集金に回っていた。アクロバットさながらである。

そして、これは驚くべきことなのだが、これだけ混雑したバスの中で、客一人一人がすでに金を払ったかどうかをちゃんと覚えているのである。前から乗った人もいれば後ろからの人もいる。もちろんいちいち乗るところを見ているわけではない。なのに、きちんと支払いの有無を見分けている。一度集金した客に再請求をすることはほとんどない。恐るべき能力としか僕には映らない。

これぞまさにプロだ、といつも感心する。

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