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2011年7月

2011年7月31日 (日)

第62号 バスの故障

同じキチェ県の中にあるのだが、県都であるキチェ(正式名はサンタクルス・デル・キチェ)とイシル地方の中心地ネバッホとはかなり離れていて、車で2時間はかかる。庶民の足としては、ミニブスと呼ばれるマイクロバスと、大型のバスが運行している。今年の3月、今回2度目のイシル訪問をした。便数はマイクロバスが多くて普段はこちらに乗ることが多いいのだが、今回は大型バスを選んだ。乗ったのは正午ごろだ。それが間違いだった。約40分も走ったころだろうか。突然運転手がエンジンをとめボンネットを開いてエンジンルームを覗き始めた。その時はすぐ再び走り始めたのだが、5分もたたぬうちにまたエンジンをとめた。今回は、荷台から工具を持ち出し始めた。停車から15分も経っただろうか。運行再開だ。その間運転手や車掌からは何の説明もない。乗客はたくさんいるのだが、なんの質問もない。皆素知らぬ顔でおしゃべりをしたり音楽を聴いたりしている。

中間地点のサカプーラスという町まであと5分くらいのところで、またエンジンを停止した。この時は30分くらい停まっていただろうか。その間乗客は外の空気を吸うために降りてあたりをぶらぶらしたり、男性客は立ち小便をしたりといたってのんびりしている。こちらは、目的地に着くのかと、少し心配になってくる。

だが、予定より1時間と少し遅れて何とかサカプーラスには到着した。ここはちょっとした街だ。バス停のすぐ近くにガソリンスタンドもある。ここで修理も可能だろう。と少し安心した。

しかし、バスはガソリンスタンドによることもなく出発した。ここから45分程度は急こう配を這うように上がる山越えだ。いくらなんでもちょっと無謀ではないのか。相変わらず乗客は能天気?で、サカプーラスで仕入れたお菓子や果物をほおばっている。

20分後、やっぱり停まった。このころになると何人かの乗客が、早く出発しろと少し大きな声を立て始めた。どうしたのかと聞く人はいない。運転手の説明もない。また何とか走り始めて10分もしたころまた停止だ。今度はエンジンルームからけむりが噴出しているのが見える。相当な量だ。これはもう駄目だと観念した。しかし、ここは海抜2400メートルくらいの山の中である。ぼちぼち夕方の気配がある。夜は相当冷えるに違いない。人家はぽツンポツンと見える程度しかない。このままバスが動かなくなったらどうしよう。ほかの乗客は皆いわば地元民である。何とかするだろう。僕はどうすればいい?誰かが面倒を見てやるからついて来いといってくれるだろうか?昨年の夏前に脳梗塞をして、後遺症はないというものの体調はまだ万全とはいいがたい。この体で野宿には耐えられないだろう。悪いことばかり考えて、不安で不安で弱気になる。

だが、バスは再び走り始めた。そして、何分か走ったころ、ガソリンスタンドが見えてきた。さすがに今度は素通りせず停車した。何がどうなったのか、誰が直したのか何もわからなかったが、とにかく数十分後四度か五度か六度か知らぬがバスは走り始め、そのままネバッホまで直行した。

14時ごろに着くはずだったが、到着した時は17時をだいぶ回っていた。

疲れた!! 最後まで、バス側の説明は何もなかった。

今回に限らず、またバスだけに限らず事の経過説明はほとんどないのが普通だ。そして、説明を求めたり抗議したりする人はほとんどない。なぜなのか。皆、腹が立たないのか。事の顛末を知りたくないのか。何か理由があるのだろうか。またいつか考察してみたい。

これはアンティグアのバスターミナル風景


2011年7月25日 (月)

第61号 エストゥファ(かまど)の設置

コデアルテコのフィエスタ(第57号参照)の2~3日後、近隣の家にかまどを設置しに行くのだが一緒に行かないかと誘われた。もちろん行く。今回はたまたまネバッホに来ていた知り合いのタケシさんも一緒だ。

コデアルテコから南の方向に、約30分間トラックの荷台でひどい凸凹道と砂煙に辟易しながら目的の家に到着。道から30メートルくらい離れたところのぽつんと建つ1軒屋で、他の家がある様子はない。

道路から家に向かう道の途中のわき道の横に直径1メートルくらいの穴が掘られ真ん中に板が渡されている。どうもトイレらしい。もう少し進むと水場がある。こんな一軒家にまで水道がとおっているようだ。その奥にトタン屋根の家があった。

入口を入ると部屋があり、奥に五徳が置かれており、右側にベッドがある。左手前の物陰にもベッドがあるようだがはっきりとは確認できない。部屋は一つである。痩せた猫が23匹部屋の中をうろうろしている。入口には犬もいる。鶏はえさをついばみ、少し離れた木には豚も一等つながれている。一見のどかな田舎の風景であるが、さて内実はどんなものか。

今日の目的は、台所と呼ぶにはあまりにも簡素すぎる部屋の奥の五徳のあるところにかまどを設置することだ。コデアルテコのメンバーの家にも最近たくさん設置され始めているのと同じ型のコンクリート製のかまどである。このかまどを普及させるプロジェクトがあるらしく、今回もそのプロジェクトの活動の一環だ。

かまどはコンクリート製だが、いくつかに分解された部品が出来上がっており、組み立てるだけの簡単なものだ。プロジェクトの男性一人とペドロの二人で、ものの40分~50分もすれば整地、かまどの設置、煙突の取り付けまでのすべてが終わった。タケシさんはよく気の付く人で、あれやこれやと手伝っている。

出来上がりを見て家の人は大喜び。用意してあった地鶏の煮込みとトルティージャが皆にふるまわれた。ネコと戯れながら成り行きをみているだけだった僕にも。この肉がまたうまい。トルティージャもいい。

これで、熱効率はかなり上がり薪代はかなり節約できるはずだ。煙まみれということもなくなる。調理時間も短くて済むだろう。料理しながらお湯も沸かせる。

このかまど設置のようなプロジェクトがもっともっと増えるといい。政府主導の、金は出すが後は知らぬ形式のおざなりな金ばらまき援助より何百倍も役に立つ。どのような過程でこのかまどが作り出されるのかは知らないが、このプロジェクトが、現地の雇用を促進するようなプロジェクトならさらにいいのだが。


2011年7月18日 (月)

第60号 アメーバとハカランダ


ハカランダの花の時期はいつなのだろうか。結構花期が長いような気がする。今年もグアテマラ各地でよく見かけた。森に生えている野生は記憶にないが、大きな屋敷の庭や公園などでよく見かける。羽状複葉で遠くから見たらなんとなくフジを連想させる紫色の花が咲く。マメ科にちがいない。結構大木になる。

2回続けてアメーバの事を書き、今回の題も「アメーバとハカランダ」にしたのだが、このハカランダとアメーバは大いに関係がある。

アメーバに取りつかれたら、我々旅行者は、医者に行くなり検査場に行くなりして、存在を確かめ、薬を飲んで駆除する。では、現地の人はどうするのだろうか。どうしていたのだろうか。別に一度経験したからといって耐性ができるわけではないし、かといって近くに検査場や薬局があるところばかりでもない。経済的にも薬を買うのが困難な人もたくさんいるはずだ。何か民間妙薬でもあるのではないか。それがずっと気になっていた。

その民間妙薬こそがハカランダであった。ハカランダの葉を生のままでもいいし乾燥させてもいいのだが、ぐちゃぐちゃと噛みそのエキスを飲み込むのだそうだ。乾燥葉を煎じて飲むという話は聞かなかった。煎じるとい習慣がないからだろうか。いずれにせよ、それでアメーバ菌が死ぬのか出て行くのかは知らないが、いなくなるらしい。

世の東西を問わず、民間伝承の知恵は素晴らしい。病気があればその対処法があるというものだ。

 

ハカランダについてインターネットで調べてみた。アメーバに有効だという話はどこにも載っていなかった。しかし、この木は密で硬く、粘りがあって高級家具等の材料として有名らしい。特に、ギターの材料としては最高級品として重宝されているのだそうな。

尚、高級素材だけに乱伐され、現在は絶滅危惧種としてワシントン条約で、原木はおろか家具や楽器に加工したものまで輸出入が禁止されているらしい。へぇ―、ですね。

2011年7月11日 (月)

第59 アメーバ -体験記ー

さて、先回に引き続きアメーバの話題だ。

 もう5~6年も前の事になる。ネバッホの屋台が悪かったのか、コツァルで食べた鶏に問題があったのか、要するに原因は何にもわからないのだが、どうも下痢気味だ。薬局で薬を買った。すぐおさまったのだが、どうも本調子ではない。べつに気にかけもせず、そのままホンジュラスに行ってしまった。まずは、世界遺産指定のマヤ遺跡で有名なコパンを目指す。バスの長旅だが、途中のトイレ休憩で一度少し緩めの便をしたくらいで特に問題はない。しかし、どうもすっきりしない。彼の地で夕食をとると、その直後また下痢だ。再び薬局に行き下痢止めを買う。飲んだ後は少しおさまるのだが、腹の違和感は残る。しかし、下痢はこれまで何度も経験した。いつのもやつか、と高をくくっていた。

少し不安はあるものの、カリブ海岸の町ラ・セイバを目指して、予定通り翌朝出発。ホンジュラス第2の都会のサンペドロ・スーラで乗り換えて約5時間程度か。暑さも加わって体がとてもだるい。下痢がひどくなる。初めての町だけどあちこちを歩く気にもならぬ。毎日、昼は公園の日陰に座り、夜はただテレビを見て過ごす。腹は減るのだが食べたら下す。しかし、下痢と体のだるさ以外の症状はない。腹痛もない。しかし、これは異常だ。久しぶりに鏡を見ると、永遠の美男子と言われた?昔の面影はすでになく、ひどくやつれて、もう別人の顔だ。やっと、医者に行く決心がついた。最初の違和感から10日も過ぎていただろうか。

町で一番大きな病院に行った。出迎えてくれたのは若い美人の女医さん。愛想もいい。しかし、今はそんなことは問題ではない。体調を説明して早速検査だ。やっぱり、アメーバ陽性と出た。抗生物質と、アメーバを駆除する薬の処方が出た。薬局に行ったら抗生物質はないという。仕方なくアメーバの薬だけ買って飲んだ。4日ほどして、また検査に行った。陰性になっていた。ほっと一安心だ。

しかし、下痢は収まらない。食欲もない。体もふらふらだ。なぜだ、もうアメーバはいないのに。他の悪い病気もあるのではないか、と不安がよぎる。ホンジュラスは見限って、ほうほうの体でグアテマラのアンティグアの知り合いの家に逃げ込んだ。

帰る前に体調も含めて電話をしておいたのだが、その電話の情報をもとに、その家の女主人が、医者に相談し、回復に必要な食べ物・飲み物など、たくさん用意してくれていた。おそらく脱水症状がひどくなっているのだろうとの医者の意見だったらしい。水分は気をつけてとっていたのだが、それだけでは脱水症状防止にはならぬという。

結局その家に1カ月以上も養生のために滞在する羽目となった。その家で、一週間も過ぎたころだろうか。薬局に行って体重を量った。なんと、51キロしかない。日本を出たときが61キロだったから10キロ減だ。これは機械がおかしいに違いないと次の薬局に行った。しかし結果は同じだ。この機械もおかしい。そんなに体重が減っているわけはないと、市場に行って体重計を買った。しかし、悲しいかな、結果は皆同じだ。

結局、体調が元に戻るには2カ月近くが必要だった。あれはヤバかったなーと、後でつくづく思った。だらだらと下痢が続くだけで、他に目立った症状がなかったのが、手当てが遅れた原因だ。おかしい、怪しいと思ったらためらわずすぐ検査をすべし。僕の教訓だ。

 

尚、衰弱しきっていた時本当に世話になったアンティグアの家主カロリーナは、1年後心筋梗塞?で急死した。僕が、次のグアテマラ行きを予定していた2週間ほど前だった。世話になったお返しは何もしないままだ。

以後、グアテマラに行ったらまずアンティグアに立ち寄り、カロリーナの墓参りをする。墓石には、「あなたの世話になった世界中の人たちが、常にあなたを思い出し、あなたを愛す」とスペイン語で刻まれている。僕と、もう一人、いつも世話なっていたというカナダ女性とが半分ずつお金を出し合って作った墓碑銘だ。

2011年7月 2日 (土)

第58号 アメーバ1

子供のころによくアメーバという言葉を聞いた。アメーバ赤痢だったかもしれない。最近の日本ではほとんど聞くことはない単語だ。しかし、グアテマラではアメーバは現役バリバリ。少しグアテマラ滞在が長い旅行者は一度や二度はその洗礼を潜り抜けたはずだ。水の中にも野菜の中にも土の中にも、日本で不潔と思われるあらゆるところでうようよ?しているらしい。

それを体内に取り込んだらどうなるのか? まずは激しい下痢である。多くの場合腹痛を伴う。吐き気を伴うこともあるという。自然にはなかなか治癒しない。放っておくと大変だということだ。

だから、別にアメーバ対策のためだけではもちろんないが、旅行案内書には、生水を飲むな、生ものは食べるな、屋台など衛生に問題がある店には行くなとうるさいくらい書き連ねてある。しかし、生水はともかく、街角の屋台にうまそうに並べられている果物を食べず、目の前で手動式ジューサーで作られるあの美味いジュースを飲まず、あたりに焼き肉の匂いをまき散らし、いかにも異国情緒あふれる屋台を無視し、市場の中に無数にあるあの安くて庶民の味のする定食を食べずに済ますなんてできないではないか。それに、経済的にも、僕のような貧乏人は気取った高級レストランでいつも食事をするわけにはいかない。

というわけで、エコノミー旅行者はしばしば、案内書を無視した結果、不本意ながらアメーバを体内に取り込んでしまう。

じゃ、不本意にも取り込んでしまったらどうするのか? 一番いいのは直接医者に行くことだ。直接医者に行くのが面倒な人のためには、lavoratorio(ラボラトーリオ)と呼ばれる民間の検査室があちこちにある。そこに便を持ち込むと、早ければ30分、普通は1~2時間後には検査結果を出してくれる。それで、アメーバ陽性となれば、医者行きを進められるのだが、たいていは薬局へ直行し、薬を買うこととなる。2・3日から一週間程度薬を飲み、また検査に行く。ほとんどの場合はそこで陰性となる。だから、怪しいと思ったらすぐ検査をする。これが大切だ。

未確認情報だが、体調不良にもかかわらず、そうと知らず日本に帰国してしまい、国内でアメーバ保持が判明すると、隣近所から飛行機の同乗者までも巻き込んでの大騒ぎになるのだそうだ。ご用心。

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