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2011年2月

2011年2月 1日 (火)

第46号 織り手の減少と織物技術の衰退と

フアナの家を訪問した。フアナは娘に織物を教えていた。小学低学年と見えるその娘は、一心不乱に糸を見つめていて僕たちの訪問に気付かない。今はまだ模様のない簡単なものしか織れないし、経糸をとる作業もできないないようだが、あと何年かしたら一人前の織り手に成長していくのだろう。しかし、フアンの娘のように子供の時からしっかりと母親の指導を受けこの地方の伝統を受け継いで織物技術を身につける女性が年々減っているという。

この村の女性たちはほぼ全員ウイピルと呼ばれる民族衣装を着ている。そしてその衣装は自分で織るのが原則だ。しかし、最近は自分で織れる人が少なくなっているらしい。自分で作ることのできない人はどうするのか。人が作ったのを買うのである。しかし、この地方のウイピルは誠に手が込んでおり、製作に長時間を要す。その分値段も高い。ウイピル一枚買うのに自分の一月分の給料は犠牲にしなくてはならぬ。いや、1カ月分全部つぎ込んでも買えない人が圧倒的に多い。その分どうしても安い糸でしかも模様の簡単な服になってしまうが、それでも買えない人が多いから、よその地域のより値段の安いものに手を伸ばす。結果、ウイピルそのものは皆着ているのだが、その地域のウイピルを着ている人は少なくなる。あちこちでより簡単で安価なよその地域のウイピルを着ている人を見掛ける。中には、自分の織ったものは売る方に回し、自分はよその安いウイピルを着ている女性も結構いるということだ。それに、年配の織り手たちの中でも伝統的な複雑模様のウイピルはできない人が多くなっているという。地域文化がまた減っていく、と僕みたいな外国人は嘆くのだが、時代の流れかもしれない。しかし、織物をするために時間をその他の仕事に回し、その分生活が潤ったというのならいいのだが、そうでもないところに問題がある。時代の流れももちろんあるのだが、生活がぎりぎりで、子供の織物指導にまで手を回す余裕がないのが現実なのだろう。

尚、スカートはコルテと呼ばれ、これまた村々によって模様の違いがあるのだが、こちらは腰機と呼ばれる道具を利用して作られる手織りではなく、足踏み式の織り機で作られることが多い。足踏み式の機械で作られるものは、手織りとはいわないのである。

熱心に母より織りものを学ぶ。

このブログは、昨年の12月に再開したばかりなのですが、また2カ月ばかりお休みします。2カ月間グアテマラに行ってきます。さてグアテマラの、イシルの人たちの生活に変化はあるでしょうか。4月のはじめに再開する予定です。

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