第97号 競馬
トドス・サントスの名物の一つに競馬がある。絵葉書にもなっていて,その絵ハガキは、グアテマラ中の観光地でよく見かける。開催は毎年11月2日だ。この日は多くの人でこの町は埋め尽くされるという。早くから予約してないと、宿が取れないそうだ。
スペイン語学校の先生と、馬が走りまわるという場所を歩いた。何も競技場があるわけではない。いつもは生活道である道幅3メートル以下のでこぼこ道が会場だ。こんな場所であの有名な競馬が行われるとは信じられない。
大会が始まる。酔っ払って馬に乗れない人もいる。なんとか乗りはしたが、途中でずりこけてしまう人もいる。出発の笛が鳴る。一斉にスタートだ。騎手は必死の形相で馬の腹をける。道の両脇の鈴なり状態の見物客からはヤンヤの声援だ。しかし走る馬と見物客の距離があまりにも近い。あれでは毎年多くのけが人が出るに違いない。
しかし、けが人はともかく、このレースはなんだか変だ。片道500mくらいだろうか。何回も同じ馬が、同じ人が行ったり来たり走り回っている。ゴールはいつだ?
単なる走りっこに何故、乗る方も見る方も皆あれだけ興奮する? 僕にはどうもよく理解できない。前にも何かの時書いた記憶があるのだが、面白さ、楽しさの概念がどうも違うようだ。でも間違いなく、村人たちはこの日を待ちわび、楽しんでいる。
尚、前日の11月1日は「死者の日」というグアテマラの主要な祭日だ。この日は、皆墓地に集まり、墓地の上で飲めや歌えの大騒ぎである。スペイン語教師の話によれば、トドスサントスでは、この「死者の日」の主役は女性であり、あくる日の競馬?の主役は男性だという。いずれにせよ、二日続けてばか騒ぎのできるとても大切なお祭り日には違いない。




