2017年4月28日 (金)

第262号 地鶏のスープ

今日の昼はカルド デ ガジーナ(鶏のスープ)だと、昨日ペドロから言われていた。午前中僕がコツァル町をウロウロしている間に、ペドロの母は市場に鶏を買いに行き、それをさばいてスープを作っていたに違いない。市場に行けばブロイラーのさばいた肉はいくらでも売っているが、なぜか地鶏は生きたままで売買される。何かことあれば地鶏のスープを作るのは一般的なのだが、日常食ではなく、いわば晴れの食物で、誕生日などのお祝いの時によく出てくる。生きたままを買ってきて直前にさばく。だから、この辺りでは小さな子供も鶏のさばき方をちゃんと心得ている。今日は、ひょっとすると、日本からの客のために作ってくれたのかもしれない。そう思うとありがたい。肉の他に人参・キャベツ・チャーテー(隼人瓜)が入っている。味は何故かコンソメ風で日本人好みの味付けだ。肉は少し固いけど味が深く実にうまい。入っている肉の量も僕の皿が断然多かったような気がする。

地鶏肉の値段だが、1ポンド(約450g)あたり500円程度するらしい。決して安い値段ではない。ちなみに、ブロイラーだと、同じ重量で、180円程度だという。
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鶏の写真がなかったので豚で代用? これは、チチカステナンゴウの豚の市の写真

2017年4月18日 (火)

第261号 食堂はどこだ

前回はコツァルの宿について書いた。今回は食堂だ。宿同様に食堂もコツァルでは入ったことがなかった。いつも何処かの家でごちそうになっており、食堂に入る必要がなかったからだ。どこに食堂があるのかも知らなかった。今回、コツァル訪問13年目にして始めて食堂を探した。数は極めて少ないようだ。本当はもう少しはあるのだろうが、町の中心部で僕が探した限りでは4箇所しか見つけられなかった。しかも、外からみてここが食堂だとわかる場所はほとんどない。というか、一つもない。どこも中はくらい。メニュー表などはもちろんない。聞けば今日あるものを口早に教えてくれるが、大抵は何回か聞き返さなければ理解できない。メニューの数も極めて限られている。
コツァルにはこれといった観光資源はない。何処かの企業があるわけでもない。大きなコーヒー農園が一つ有るが、コツァルの町とはほとんど関係なく、コーヒー園関係者がコツァルに金を落とすこともないようだ。要するに外部の人がやってくる環境ではないわけだ。よそ者などはほとんどいない。だから皆食事は基本的には家でとる。食堂を利用する人がいたとしても、それはだいたい,警察官であったり、家が遠くて食事時間に家に帰れない人などの地域内の人々だ。当然食堂は少ないし、ここが食堂であると外部に向かって強く主張する必要もない。従って看板もない。そういうことのようだ。
10ケツァルから15ケツァルと値段は極めて安いのだが、ここで一人で食べる食事は限りなくわびしい。
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中に入ると,こんなところが食堂だったりする。ここは違うけどね。

2017年4月13日 (木)

第260号 コツァルの宿

コツァルへはほぼ毎年行くが、まだ宿に泊まったことはない。泊まる時は何時もペドロの家に寄せてもらう。でなければ隣の町のネバフに宿をとりそこから毎日コツァルに通う。というのもこれまでずっとコツァルには宿は一つしかなく、しかもその宿は汚いと思い込んでいたからだ。もう10年以上も前にちらっと聞いた情報をそのまま信じ続けていた。同じような規模の隣町のチャフルには幾つも宿があるのに、なぜコツァルには宿がないのか不思議だった。
今回(これは2015年の話)改めてペドロに聞いてみると、コツァルにも宿は5つか6つはあると言う。わざわざ金を出して宿に泊まるならなぜうちに来ないと誘われたが、今回は宿に泊まることにした。ここがいいだろうとペドロに勧められた宿は、きれいだった。部屋も広いし、値段は50ケツァルと安い。その宿に即決である。一番高い宿の値段は100ケツァルだそうだ。えー、こんな田舎で100ケツもする宿があるのと驚いたが、よくよく計算してみれば、日本円にして1500円ほどだからさほど驚くこともないか。
50ケツァルの宿はしかしお湯が出なかった。申し訳程度のお湯しかでなかったと言うべきか。想像以上に寒くて、ほとんど水状態のシャワーを浴びるわけにはいかなかった。この時期のコツァルは久しぶりだったため、夜の寒さはとうに忘れていたが、念のためにと持ってきていた長袖シャツとパッチが役立った。体を丸めて寝た。朝はさらに寒かった。羽毛ジャケットを取り出してはおった。そんなに寒いにもかかわらず、あるいは寒かったからこそ、ノミかダニかは知らぬが僕の肌に接触を試みたようだ。
明くる日から激しい痒さにみまわれた。
100ケルァルの宿に泊まったわけではないので比較はできないが、安いと思った50ケツァルにはそれなりの理由はあった。しかし、宿の問題点ではなく、今回はコツァルにも幾つかの宿はあるのだという報告である。

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2017年4月 8日 (土)

メルセイ教会は泣いている。

去年の2月からブログを更新していない。グアテマラでの出来事を思い出しながら、時系列無視の独断的グアテマラ記を再開しよう。

写真は、アンティグアのラ・メルセイ教会である。いく体もの聖人像がみえる。
だが、聖人像の一つ一つを見るとなんだかあちこちが薄汚れている。さらに目を凝らすと,何と汚れの原因はハトの糞だ。聖人の体に向けて,とりわけ顔に向けて糞をするな。掃除するたって簡単にはいかないんだからね。なんと罰当たりな平和の使者どもであることか。Image


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2016年2月 2日 (火)

第258号 チチカステナンゴ

11月1日の使者の日にチチカステナンゴの市へ行った。どえらい人出で前に進むのも難しい。死者の日の墓参りのための花を買いに来た人とチチカステナンゴの守護神の引越し?の日の人出とが重なったのが理由らしい。教会前では、プロと思しき楽団が大音響で演奏会もしている。キリストやマリア像を乗せた山車を背負いプロセシオンと呼ばれる行列が厳かに通って行く。 教会の階段から見ていた僕の周りからスーッと人がいなくなったと思ったら、すぐ横で花火がドンと大きな音を立てて上がった。耳にビーンと響いた。少年が直径15センチ程の円筒を抱えてウロウロしている。次の花火を打ち上げる場所を探しているのだ。筒をおくと、火のついた花火が中に放り込まれ勢いよく打ち上げられるというわけだ。これだけの人ごみの中で、日本では絶対にあり得ない光景である。 もうわけが分からない程混沌としていて面白い。が、疲れる。民芸品屋のおじさんが、スリに気をつけろと真顔で心配してくれた。 人混みを避けて、屋台店ではない店に入った。綺麗なバッグが並んでいる。通りの喧騒をよそに店内は静かだ。店の主人が出てきて日本人かと聞く。そうだと答えると、チチカカという店を知っているかとたたみかけて来る。チチカカといえば中南米の服飾を中心に売っている店だ。高知にも店舗がある。何年か前まではチチカカから時々買い付けに来ていたのだそうだ。あまり買い叩くので最近はもう取引をしていないということだった。思わぬところで日本と繋がった。 チチカステナンゴは行く度に、ただ歩いているだけで何か新しく面白いものに出くわす。何か新しい品物を見つけようと目を凝らせば、もうこれは切りが無い。



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2016年1月26日 (火)

第57号 トウモロコシと石灰とナイアシン欠乏症

グアテマラでは主食であるトルティージャを作る過程で、水酸化カルシウムを多用する。そのもととなる石灰の塊は市場でもよく売られている。何故石灰を入れるのか疑問だった。そのことについては以前のブログでも紹介した。

「石灰を加えることにより、トウモロコシの粒の薄皮が取れやすくなり、特有の香りを強め、カルシウムの補いにもなります。さらに酸性食品であるトウモロコシに、アルカリ性のカルシウムが中和剤として働き、消化をよくする効果もあります」ということだった。

今回、イシル地方でよく見かけたトルティージャの制作過程を思い出していると、いくらか不明な点があり、ネットで調べていると、調べていたこととは別に、トウモロコシと石灰処理について重要な事実を知った。僕が知らなかっただけで常識なのかもしれないが。

曰く、「アルカリ処理は、トウモロコシに含まれている必須アミノ酸ナイアシンの吸収を容易にするための伝統的な措置で、7000年の歴史を持つこの摂取方法を知らずに母国に持ち帰ったスペイン人等は、ペラグラに罹患した。これは、トウモロコシのみを食事とした場合に発生する現象であって、副食経由で、ナイアシンを補う場合には起こり得なかった。タンパク質の利用度の向上は必須アミノ酸リシントリプトファンナイアシンの吸収性が上がることにより、トウモロコシを主食とする先住民族はペラグラの予防につながっていた。」

 トウモロコシの石灰処理は、トウモロコシを多食し、その他の副食をあまり食べない人たちが彼らの健康を維持していく上で必要不可欠の過程だったのだ。

 先人の知恵とは偉大なものである。

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2016年1月25日 (月)

第256号 コーヒー店と靴磨きと

サンタンデール入口の三叉路の前にあるコーヒー店でコーヒーを飲んでいると、別にこのコーヒー店に限ったことではないが、いろいろな物売りなどがやってくる。中でも多いのが靴磨きだ。圧倒的に少年が多い。スニーカーを履いているのに磨けと粘る子もいる。ノーといえば去って行くのが大半なのだが、中には「金がなくて、何も食べてない。腹が減っている。1ケツァル恵んでくれ」とせまる子もいる。そんな子に限って愛想良く、「Como estas? Cómo te llamas? Me llamo daredare(元気ですか? お名前は? 僕は誰々です)」などと話しかけて来る。ニコニコして寄ってきたらまず注意だ。
スニーカーなのに、汚れているから磨かせてくれと商売で迫るのはまだいい。しかし、靴磨きは放っておいて、金をくれとせがまれるのが一番困る。そんな子供に金を与えることはないのだが、見ていて切なく悲しい。

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2016年1月 9日 (土)

第255号 タマリートとグイスキルと

ペドロが畑に寄り道をした。結構長い時間をかけて、草を取っている。チピリンという名の植物らしい。葉をちぎって、どうだいい匂いだろうと僕の鼻の前に持ってくるのだが、僕には特別の感はない。チピリンの後はグイスキル(隼人瓜)の実だ。グイスキルの実は大きくなれば大人の拳をはるかに超える大きさになるのだが、まだテニスボールに満たない大きさの実を採取している。大きくなるのを待ちたいが、それを待つうちに誰かに盗まれてしまうということらしい。そんなものを持って行く人がいるのと、僕は思うが、こちらではなかなかの人気らしい。
畑の収穫物を持って家に帰った。どうもお母さんはペドロが持ち帰ったチピリンを待っていたらしい。粉にしたとうもろこしに水を加えてこねはじめた。その中にチピリンの葉を混ぜ合わす。結構な量のマーガリンも入った。そうして練り上がったトウモロコシを葉っぱに包み沸騰した水の入った鍋に投げ入れ茹でる。で、出来上がったのが、チピリン入りタマリートである。チピリンは、コツァルでは栽培されておらず貴重品なのだそうだ。味は、まあまあだね、と言うしかない。
グイスキルは皮のまま、これまた大鍋に入れて茹でる。そして、その茹で上がったグイスキルを塩も何もつけず食べる。一人で4つも5つも食べる食べる。僕ももちろん勧められたが、タマリートで腹がいっぱいになったからと断った。僕はこの茹でたグイスキルはどうもにがてなのだ。しかも、塩もつけず、何の味付けもしてないグイスキルを丸ごとかじれと言われてもなー。
グイスキルそのものは高知ではよく食べる。豚肉と炒めたり、味噌ずけにしたり、味噌汁の具にしたりと、結構食べるのだが茹でただけはどうもいただけない。
数日後、パナハッチェルで通りを歩いていたら、「チピリン入りのタマリート!」と大声で叫ぶおばちゃんの姿を目にした。チピリン入りタマリートはここらで有名らしい。あの葉っぱ入りがそんなにいいのかなー。でもこれまで耳に入っても聞き流していたに違いないチピリンという音がきちんと耳に届くようになった。
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2016年1月 4日 (月)

第254号 路上のジュース屋さん

最近野菜不足でもあり、ビタミン不足でもあると思いオレンジジュースを飲むことにした。店には一人の客がジュースのできるのを待っていた。皮を向いたオレンジを丸ごと押しつぶしていく。3個か4個のオレンジを使っただろうか。出来上がったジュースを並々とガラスコップにつぐ。ストローをつけて、ハイ出来上がり。5ケツァル(約80円)なり。
次は僕の番だ。ここはオレンジジュースだけしか売ってないから何も言わずとも、指一本を立てただけでOK。前と同じ行程だ。さて出来上がった。おばちゃんは、先ほどの客が飲み終わったグラスをとり、足元の水の入ったバケツに入れた。入れるとすぐそのまま取り出し、パパッと振って水切りをし、出来上がったジュースを注いで僕に差し出した。あちゃー、あの水にくぐらすだけ?
昔インドの漁師町の屋台の喫茶店で、魚を扱った手を洗ったバケツの水でチャイのコップを洗っていた光景を思い出した。もちろん、あの時ほど今回は強烈ではない。何れにせよ、日本でそんなことをしたら、皆目ん玉ひん剥いて、誰も寄り付かないだろう。
ジュースは普通にうまかった。
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2015年12月29日 (火)

第253号 バスと子供

ソロラからロスエンクエントロスに向かうバスの中でのことだ。10歳か11歳くらいと思しき女の子が両親とともに乗り込んできた。バスはそう混んではいないが、かといってガラガラでもない。両親は座席に座ったが、少女は父親の座席横に立っている。しばらくすると、多数の乗客が下車し、バスはガラガラになった。少女は父親のいる場所から移動し、誰もいない座席横に行ったが、依然として立ったままだ。時々両親の顔を見て微笑むが座る様子はない。そんな状態がしばらく続いたが、やがて母親の顔を見ながら、少しはにかんだように笑い、思い切った様子で席に腰を下ろした。
この国では、子供のバス料金は大人が同伴の場合は何人でも無料だ。その代わり、料金を払わない子供は座席に座ることは許されない。かといって、ガラガラのバスで座ったからといって誰も責めはしない。だからといって、堂々とは座らない少女の仕草が可愛かった。

写真は本文と関係ありません。

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